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肝細胞がんの治療

肝細胞がんの治療は、がんの個数、大きさ、血管への拡がり、他の臓器への転移の他、肝機能の程度などを考慮して患者さん個々に決定されます。大きく分けて、手術療法・局所療法・塞栓療法・その他(化学療法など)・新しい治療法(分子標的治療薬による治療)に分けられます。参考として、日本肝臓学会による肝細胞がんの治療アルゴリズムを以下に掲載します。

JSHコンセンサスに基づく肝細胞がん治療アルゴリズム2010
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肝細胞がん治療アルゴリズム解説

  • 他の臓器への転移の有無により治療が選択されます(進行度分類参照)。
  • 肝機能の程度により治療法が選択されます(肝機能の評価参照)。
  • がんの個数、大きさ、血管への拡がり*によって治療法が選択されます。

*Vpは脈管(門脈、静脈、胆管)への拡がりを示します。数字が大きくなる程、拡がりも大きくなります。

治療法解説

各治療法の詳細については、以降で解説します。

<手術療法>

肝臓は正常であればその70%を切除しても機能を失わない臓器です。肝切除は、がんを含めて肝臓の一部を切除する治療法で、最近では腹腔鏡による肝切除も徐々に行われつつありますが、適応は限定されており、一般には比較的大きな皮膚切開を必要とします。手術療法は、他の療法に比べて治療期間が長く、体への負担が大きくなるデメリットがありますが、最も確実にがんを取り除く治療法の1つです。一般に、比較的肝機能の程度がよい患者さんで、がんが大きい場合や、1つだけあるいはがんの個数が少ない場合には肝切除が選択されます。また、肝機能や腫瘍の状態により、肝移植が選択されることもあります。

イラスト

<局所療法>

局所療法は肝臓以外の臓器への転移や血管へのがんの広がりがない患者さんに行われることが多い治療法です。がんの大きさが3cm以下、3個以下の場合には「ラジオ波熱凝固療法(RFA)」「マイクロ波凝固療法(PMCT)」「エタノール注入療法(PEI)」の3つの治療法が選択されることが多く、これらの局所療法はがん組織のみを狙って壊死または焼灼させる方法です。最近では、RFAが主流になっており、PEIはRFAが困難な場合やRFAの補助として行われています。
またがんの大きさが3cm以上の場合や、大きさが3cm以下でも4個以上の場合には「肝動脈塞栓療法(TAE)」が行われます。

ラジオ波熱凝固療法(RFA)

AMラジオの波長よりやや長い高周波を用いてがん組織を焼灼します。
特殊な針を体外からがん組織に挿し込み、通電することでその針の先端部分から熱が発生し、がんを焼灼する治療法です。通常は、超音波画像でがんの位置を確認しながら行いますが、CTや腹腔鏡などを用いて行うこともあります。

説明イラスト:ラジオ波焼灼療法(RFA)

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マイクロ波凝固療法(PMCT)
波長の短いマイクロ波という電磁波を用いて、がん組織を熱により焼灼させる治療法です。治療方法はラジオ波熱凝固療法とほぼ同じです。

経皮的エタノール注入療法(PEI)

超音波画像で位置を確認しながら、体外から細い針をがん組織に刺して、100%のエタノールを注入することでがんを壊死させる治療法です。

説明イラスト:経皮的エタノール注入療法(PEI)

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<塞栓療法>

肝動脈塞栓療法(TAE)/肝動脈化学塞栓療法(TACE)

がん細胞は肝動脈から栄養を摂取して増殖していきます。したがって、この肝動脈をふさいでしまうと、増殖することができずに壊死することになります。
肝動脈をふさぐには、太ももの付け根の血管(動脈)からカテーテルを挿入して肝動脈へ導き、がん細胞に栄養を与えている動脈に血管をふさぐための物質(塞栓物質)を流し込みます。また、抗がん剤を注入することもあります。

説明イラスト:肝動脈塞栓療法(TAE)

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<その他の治療法>

化学療法
抗がん剤はがん細胞を死滅させる薬剤です。上腕の静脈から点滴により抗がん剤を注入したり、点滴と内服の抗がん剤と併用することもあります。また、脚や下腹部の動脈からカテーテルを挿入して肝臓内に直接抗がん剤を注入したりもします。主に、肝臓以外の臓器へ転移している場合や、血管へ腫瘍が広がっている場合などの手術療法や内科的局所療法が行えない場合に選択される治療法です。

放射線療法
放射線療法は高エネルギーの放射線を使ってがん細胞を殺す治療法です。日本では肝細胞がんの治療法として、放射線療法はあまり行われていません。一部肝細胞がんが骨に転移した場合には、痛みの症状を緩和する目的で行われることがあります。

<新しい治療法~分子標的治療薬~>

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がんの治療に一般的に使われる抗がん剤(化学療法剤)は、増え続けるがん細胞を抑える効果があります。しかしこの際、がん細胞と一緒に正常な細胞にも影響を与えてしまうため、そのダメージが副作用としてあらわれてしまいます。一方、分子標的治療薬は一般的な抗がん剤とは作用機序が異なり、がんの進行に影響を与える特定の分子に作用します。
ネクサバール錠は分子標的治療薬に分類される薬剤です。